会長挨拶

武田純

  平成26年8月2日(土)〜3日(日)の2日間にわたり,第14回日本糖尿病情報学会年次学術集会をJR岐阜駅に隣接する岐阜市文化産業交流センター(通称じゅうろくプラザ)において開催させて頂きます。

  最近の情報メディアの進歩には目を見張るものがありますが、糖尿病診療の分野においても、医療情報に関するITテクノロジーの活用は診療スタッフと患者の双方にとって大きな利便をもたらすと期待されています。本学会の趣旨は、糖尿病に関する最新テクノロジーについて、医療スタッフ、患者と家族、テクノロジー開発者等が、それぞれの立場から適切な治療の実践や療養指導の支援を通じて、糖尿病の発症や進行の予防、患者の生活質の向上を目指すことにあります。一方で、実際の糖尿病診療は、多くの診療科や職域を超えたチーム医療と患者の自己管理に負うところが大きく、「ひと」と「ひと」の直接の繋がりに基づいたアナログ的な情報リンクも欠かせません。これらの狭間を埋めるのが有機的な医療連携と考えます。

  岐阜県は、県庁所在地の岐阜市が隣県の名古屋市と僅かの距離にある一方で、飛騨・高山や東濃などには広大な僻地を抱えています。これら過疎地では超高齢化が深刻な社会問題であり、当然のことながら糖尿病や重篤な合併症の有病率も高くなっていますが、一方、糖尿病専門医や療養指導士は必要数に程遠いのが現況です。国内の多くの地域が同様の課題に直面し、固有のニーズに合った連携システムを模索しています。そこで、本学術集会のテーマを「地域医療のプラットフォーム整備と職域連携の深化」とさせて頂きました。各地の優れた情報活用の工夫や取り組みの成果を発表頂き、地域の医療質をボトムアップする社会的基盤について職域を超えて議論する場になればと期待します。

  岐阜の夏は、かがり火に照らされた鵜飼に風情があり、ぜひとも低カロリーで栄養バランスの取れた鮎をご賞味頂きたく思います。また、敢えて会期の初日を長良川の花火大会に重ねて設定致しました。金華山頂の岐阜城を背にした大輪の花火は、活発な討論の後に一抹の清涼を供してくれるものと思います。ただし、宿泊は大変混むと予想されますので、お早く手配されるようお知らせ申し上げます。
ぜひとも、一人でも多くの方にご参加頂き、興味深いご発表頂きますよう心よりお願い申し上げます。